卒後臨床研修センター通信
掲載日:2014.09.19| カテゴリー: センター通信
第10回 愛知医大臨床研修セミナー
~ プレゼンテーション能力の向上を目指して ~
平成26年9月4日(木)に第10回臨床研修セミナーが開催され,研修医2年目の角田拓実から「病院病理部研修を終えて」,研修医1年目の小泉紘子先生から「四肢の筋力低下,上腕筋の把握痛で来院した46歳女性」,中川未久先生から「肝細胞癌に対してTACEを施行した1例」について症例発表がありました。
また,聖マリアンナ医科大学 救急医学の松本純一講師による『救急画像診断:これだけは見逃したくない病態 Top 10』が特別講演として行われ,見落としを防ぐ3段階読影として,
第一段階 臨床推論から想定された病態の判定
第二段階 見落としたくない疾患の確認
第三段階 機械的なサーベイ:「画像推論」
について説明がありました。第一段階→第二段階のように通常のプロセスを踏む事と同時に第三段階として画像所見から論理的に病態を推論する逆のプロセスも踏む事が大切であること。
また,見落としたくない疾患Top10として、
1位 腸管紋扼(紋扼イレウス)
2位 上腸間膜動脈血栓症
3位 消化管穿孔
4位 肺塞栓
5位 急性大動脈解離
6位 脳梗塞
7位 クモ膜下出血
8位 急性心筋梗塞
9位 婦人科疾患
10位 急性虫垂炎
については,第二段階で予めチェック対象に入れておき,必ず能動的に1つ1つの疾患を確認する旨説明がありました。まとめとして,救急画像診断においては,
『1 読影は3段階で』
『2 検査はきっちりと』
『3 所見ははっきりと』
参加した研修医を始めとする若手医師約50名が熱心に耳を傾け,活発な質疑応答も行われました。
当セミナーは、研修医の臨床教育の一環として,またプレゼンテーション能力の向上を目指して,今後も年2回(夏・冬)開催していく予定です。